幕が上がる
高橋さおり(さおり)―吉岡先生の代わりにリーダーである自分が判断を下さなければならない場で動揺を隠すところ……涙をこらえる百田夏菜子が目に浮かぶ。
橋爪裕子(ユッコ)―玉井詩織:興奮するとかわいい顔に不釣り合いな男言葉になる。女子だけのときはものすごい大食いなところ、さおりを相手役に希望するなど、かなりさおり(百田夏菜子)を慕っているところが玉井詩織に重なる。
西條美紀(ガルル)―高城れに:とてつもなく変なダンスを踊る。進学で忙しい時期に演劇にかける覚悟を問われて泣き出し、ここ泣くところかとさおりにあきれられる。うまくいった芝居を「いい温泉にゆっくりつかった感じ」と変な例えで表現し、他の同意を得られないところ。本番直前にさおりの背中を思いっきりたたいて気合を入れるところ。見事なほどすべて高城れにに重なる。
中西悦子(中西さん)―有安杏果:転校生であるところ、すでに高度なスキルを身につけているところが、途中加入の有安杏果に重なることは重なるが、"長い足で大股で歩く"などの描写から、たぶん容姿はかなり異なると思われる。
ユッコとガルルのほとんど素に見える、ダラダラとしたおしゃべりの芝居。ももクロの、着地点の全く分からないグダグダしたMCと重なる。
ついでだけど、わび助の苗字が桃木!
高橋さおりの一人称で書かれているので、読者の前にはさおりの自身の無さや葛藤が遠慮無く吐露される。このため、読者はあたかも平凡な女子高生がだんだんとリーダーシップを発揮するようになっていく成長の物語であるかのように読む。もちろんそれはまったくそのとおりなのではあるが、演劇部員たちは早くからさおりに絶大な信頼を寄せているし、他校の生徒からも憧れの眼差しで見られる描写があることから、さおりは実は他人が見れば初めから何らかのオーラを放っていたのかもしれない。この点、周りにリーダーシップを見出され、押し出されるようにリーダーとなり、もはや誰もが認める絶対的リーダーであるにもかかわらず、普段は未だにポンコツな百田夏菜子と見事に重なる。
高橋さおりの言葉を借りれば、青春とは、大人になっていく過程の、自分がなんだか分からない、言葉にならないモヤモヤしたもの、である。進路の悩みとか、いじめの問題とか、部活とか、親との軋轢とか、そしてそんな問題を取り入れた ”高校生らしい演劇” は、そんなものは大人の考える ”高校生らしい” であると、高橋さおりは痛烈に批判する。
そして、あえて等身大の高校生が登場しない、銀河鉄道の夜を選ぶ。
国語の先生が相対性理論という名前のバンドがあるそうですね、という場面。もちろんZ女戦争が頭に流れる。
一生懸命な自分、一生懸命やれば親や友だちは拍手してくれるかもしれない、だけど、彼女たちが求めるのは、もっと質の違う拍手だ。
日差しの強い夏、全国大会を見に行った高橋さおりと中西悦子がサンドイッチを食べようと会場のまわりで日陰を探すがなかなか見つからない場面、私はももクロ夏のバカ騒ぎ2014桃神祭で、まったく日陰の見つからない日産スタジアムのまわりを、やまちゃんとヘロヘロになりながらうろついていたときのことを思い出した。
結論として、私は今この原作を先に読んでおいてとても良かったと満足している。読む以前よりはるかに映画が楽しみになった。もしも映画が期待はずれだったらどうしようなどという不安はまったくない。極めて安らかな気持ちで映画の公開を待つのみ、という心境である。
マトリョーシカ人形にみるバンド内の序列
ひょんなことから、ウェブ上でロックバンドのマトリョーシカ人形を探すことに夢中となった。
マトリョーシカ人形は、日本起源説などそのルーツについては諸説あるものの、ご存知のとおりロシアの特産品として世界に広く知れ渡っている。いや、知れ渡っているどころか、今では世界各地で様々なデザインのマトリョーシカが氾濫しているという状況である。
そこでふと疑問が湧いた。ロック・バンドだったら、どんなバンドのマトリョーシカが存在するのだろう。ところが探し始めてすぐに驚いた。まああるわあるわ、あなたの大好きなあのバンドのも、あなたの全く知らないあのバンドのも、たぶんマトリョーシカの存在しないロック・バンドなんてこの世に存在しないのではないか、と思えるほど次から次へと見つかるのである。
そして世界的に有名なバンドともなると、たとえばビートルズなんかだと、それはもう数百種類ぐらいあるんではないか、と思えるほどだ。
さてそこでひとつの問題が浮上する。マトリョーシカ人形は入れ子構造になっており、当然のことながら一番外側のものが一番大きく、最初に目につくことになる。そして中に入れば入るほど小さなサイズになっていく。そうすると、バンドのマトリョーシカを作るにあたって、誰を一番外側にして、そして次のを誰にするのか、一番最後の最小の人形は誰にするのか、そういった順番を決めなければならないのである。
たとえそのバンドのメンバー全員を愛している場合であっても、残念ながら序列を決めなければならない。マトリョーシカは無情で残酷なのである。
僕は広大な心の持ち主で世界中のロックミュージシャンたちを全員等しく愛している!
だから、こんな非情なマトリョーシカ人形は嫌いだ。こんな企画は間違っている。もうマトリョーシカとか"russian nesting"とかなんかで検索なんかしないぞ。
とはいえ、とはいえ、とはいえ……、世間は冷たいもので、やっぱりバンド内序列というものはどうしても存在するものです。たとえば、ビートルズ全曲213曲中ボーカルをとってるのが11曲で作者にクレジットされてるのが5曲で単独クレジットがたった2曲のリンゴ・スターをビートルズのマトリョーシカ人形の一番外側にしよう、と考える人はほとんどいないでしょう(いや、逆にそういうのがあったら逆に欲しいぞ!)
そういうわけで、世間の人がそのへんをどういうふうに考えているのか、野次馬気分で見たくなってきました。全部というわけにはいきませんが、いくつかピックアップしてみましたので、さっそく見ていきましょう。ドン!
自然画家 増田寿志展 in TOKYO 12.2-12.7
かなり重い腰を上げてなぜ書き始めたかというと、いま注目の、札幌在住の自然画家、増田寿志さんの個展が明日から東京で開かれるということで、まあ先生なんかが告知してもその効果はたかが知れているとは思いますが、ぜひ一人でも多く足を運んでいただきたいと願い、ご紹介するしだいです。
東京都杉並区阿佐ヶ谷っていわれても、北海道の田舎者の先生には、さっぱり全然ちっとも、どのあたりなのかイメージできないわけなんですが、そこはほれ、天下の東京なんだから、なんちゃら線に乗ってなんちゃら駅でなんちゃら線に乗り換えてぴやーって行けばすぐ行けるっしょ、東京の人だったら。だからお願いだから行ってみて、7日の日曜日までやってるらしいから。
と、いきなり言われても、いったいどんな画家なんだろう、どんな絵を描くのだろうって思いますよね。当然です。そこはほれ、増田さんご本人のホームページをご覧あそばせ。
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あ、しまった。間違えました。今のは間違ってリンク貼っちゃったものなので、全然関係ないです。忘れてください。
それではほれ、増田さんご本人のホームページをとんとご覧あそばせ。
特にGalleryで、その作品の数々を堪能してほしいです。これって、写真じゃないんですよ、絵なんです、ペン画なんですよ、ペンで描いているんです。
信じられませんよね。でもね、こんだけ精密で写実的な絵を苦労して描くんだったら、写真でよくね? とかいう思いも、ふっと頭の隅によぎったりしません? いや実は先生もね、最初はポストカードとかカレンダーとかの印刷の絵を見て、たしかにすごいとは思うけど、ここまでストイックに写実にこだわることねえんじゃね? 写真じゃねーんだから、もっと絵画ならではの自由があってもいいんじゃね? とか思ったりもしてたんですよ。
ところがね、実は先生、先日札幌市内で開かれた個展を見にいったんだけど、そこで間近に本物をじっくり拝見した結果、そんな素人の言いがかりみたいな疑問はすっかりどっかへふっとんでしまったね。こーれは原画見なきゃダメだわ。印刷とかウェブとかではなく、やっぱ実物を、原画をその目で見ていただきたい。そういう思いで今これを書いているんですよ。
原画を見た先生は思わず、いったいどーやって描いてるんだぁーって叫んでしまいました。そうしたら、そばに立っていた、とても40を超えているとは思えない細面の好青年がニコニコしながら、まず道具の説明から話し始めました。そう、そのスレンダーなイケメンこそ、増田さんご本人だったのです。
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