世界的教授が研修医をリンチ−さよならサダ
前回(スミルノフ教授公式ウェッブサイト | 腕の毛長さ自慢)の続き。
「ぎゃははは、先生、あとで取るとき、きっと痛いわ。」
そう笑いながら、採血を終えた看護師は先生の腕にぐるりと紙テープを巻いた。あとで取るときに痛いのが予想できるのなら、こんな貼り方しなくてもいいんじゃないだろうか。我々、毛深人にとって、紙テープは最大の敵なんである。特に安そうな医療用紙テープは、肌よりもわざと毛にくっつくように作ってるんじゃないかと疑うほどなのだ。そろそろ3Mさんとかニチバンさんは、我々、毛深人の意見を取り入れて、肌への粘着性を強化し、それなのに毛にはあまりくっつかないという製品の開発に着手すべきだ。
ほうら、言わんこっちゃない。痛いんだよ。
痛い、痛い、痛いんだよ。はがすのに30分ぐらいかかっちゃったぜ。あの採血したおばちゃん、許せないぜ。許せない、許せない、許せない、ちくしょー。
先生はいつになく怒りが爆発してしまった。しかし、こんなことで採血室に飛び込んで的外れな文句を言うのは、世界的な教授にはとても許される行為ではないのである。
だが、この悶々とした怒りをどう晴らしてくれよう。世界的な教授といえど、先生だって人間なのだ。この怒りを何かにぶつけて解消したい。
そのとき、先生の頭の中に、ある一人の研修医の名前が浮かんだ。そう、サダである。サダといえば
■スミルノフ教授公式ウェッブサイト | チオラミール(イノバン)
この回でそのアホさ加減をさらしたところ、予想を上回る批判が全国から集中してしまい、
■スミルノフ教授公式ウェッブサイト | 続・チオラミール(イノバン)―研修医は僕らの鏡
この回では先生がサダを擁護しなきゃならなくなったという、まあそのようなアホで手のかかる研修医である。であるから、先生が鬱憤を晴らすための相手としては大義名分が立つ都合のよい相手なのであり、しかも、
サダの手は超毛深い! 先生のように繊細で長い毛なのではなくて、そりゃあもうまさに剛毛と呼ぶにふさわしい剛毛が、ところ狭しと生えている手なのである。これを利用しない手はない。
「あのー、サダ、ちょっとこっちに来なさい」
「な、なんですか急に」
「いいから、ちょっと話があるんで先生のそばに来なさい」
そしてサダが先生の近くに寄ってきたとき、先生は作戦を実行した。
「あー、先生! 何んてことするんですか!」
先生は、後ろに隠し持っていた3Mのテープを、油断したサダの前腕にグルグル巻いたのだった。
「えーっとね、サダ、そういえば先生は、こないだのチオラミール(イノバン)という失態に対して、まだお仕置きをしていなかったね」
「ええ? そんな前のことで今頃……」
「いや、先生、本当は理由なんてどうでもいいんだけどね。ふっふっふ」
先生の冷酷で残虐な行動には、もはや歯止めがきかなかった。そうして先生は、ついにサダの腕に貼ったテープを思いっきり剥がし始めたのだった。
「ぎえぇぇぇー!」
研修医室と名付けられたが実はスタッフが食堂として使っているその狭い部屋に、サダの悲鳴が轟き渡った。
「せ、先生、いくらネタに協力するとはいえ、本当に痛いんですけど。俺、涙出てきました」
サダの目には、本当に涙が浮かんでいた。
サダは翡翠科に6ヶ月もいてくれた奇特な研修医で、もうすっかり翡翠科スタッフのごとく溶け込んでいたが、そんなサダとも9月いっぱいでお別れということになってしまった。翡翠科のみんなもサダのことが大好きで、サダの最後の日には何か特別なことがしたいということになり、先生とローリーは、サダの全身の毛を剃ってそれをテーブルの上に置きサダがどれだけの体毛を持っているのかを一目で明らかにするイベントをしたいと提案したのだが、残念ながらサダに断られてしまった。
ああ、寂しいよ、サダ。ウソだよ。小児外科医という、我々の天敵になるというサダ、どうせもうすぐしたら、「あ、翡翠科の先生、手術台もっと上げて」などと上から目線で俺たちをこき使うに違いないんだ、だから、もう君のことは一生思い出さないよ、さようなら、サダ。
腕の毛長さ自慢
実は先日、先生はついうっかり失敗をしてしまいました。
ごらんのように、写真ブログの方で、ウラギンシジミという蝶が先生の腕に留まったのが嬉しいあまり、ついつい先生の腕を公衆の面前にさらす事態となってしまったのです。
さらしてしまったついでに、開き直って自慢しますが、先生の腕は毛深い、いや、毛深いというよりは、その1本1本は非常に細くてストレートですし、毛根の数がやたら多いわけでもない、むしろ毛根と毛根の間の距離は長く、すなわち腕の毛の総本数にしたらそれほど多いわけではないのです。
ところが、先生の腕の毛は長いんです。
改めて測ってみましたが、どうやら8.5cmはゆうに超えているようです。
いや、ここまできたら、もっと正確に計測してみたくなりました。そこで先生は、覚悟を決めて、ちょっと涙を浮かべながら、その毛を1本抜いてみました。
おお!毛根から先端まで、少なくとも10.5cmはあります。こんなに長い人はなかなかいないのではないでしょうか。もしいらっしゃったら、是非とも報告していただきたくお願い申し上げます。
さて、こんな腕の毛の先生に、後日、とても悲惨な不幸が訪れるのですが、そのことについては明日、あらためてお話することといたしましょう。
2秒起きたら1秒眠る
みなさんは1日に何時間ぐらい眠っていますか。眠いときに眠ることほど幸せなことはない、先生もそれには異論はありませんが、しかし、寝る間もないくらい忙しいということもあるのが人間の常です。こんなとき、いつまでも寝ないで仕事がこなせたらいいのになと思ったり、果ては、どうして寝なきゃならんのだろうと、そもそも人間に睡眠が必要なこと自体を恨む人も出てきましょう。
そこで先生は素晴らしいアイデアを思いつきました。いやいや、覚醒剤ではありませんよ。アンフェタミンどころかリタリンさえやばくなりそうなこのご時世、先生横流しなんて絶対やってませんったら。
さて、分かりやすい例として、だいたい1日に必要な睡眠時間を8時間としますね。とすると、残りの16時間、起きていることになります。すなわち、睡眠と覚醒の比は1:2なわけです。そこでこの比を保ちつつ、毎日少しずつこのサイクルを短くしていくのです。やがて4時間寝て8時間起きるという生活に慣れ、そして2時間寝て4時間起きる、1時間寝て2時間起きる、ついには1分眠ってて2分起きる、そして、ここまで到達するにはかなり長い日々と忍耐が必要でしょうけど、だいたい0.5〜1秒眠って1〜2秒起きてるというところまで到達したら目標達成です。
0.5〜1秒眠って1〜2秒起きてる、はたから見ればちょっと瞬きが長い人に思われるかもしれませんが、ずうっと起きて仕事しているかのように見えます。いや実際にずうっと起きて仕事するのと変わらないはずです。とても良い方法だと思いますので、どなたか根性のある方、ぜひとも先生の理論を実証してくださる方を募集します。
ところで、もっともっとサイクルを短くしていけば、どうなるでしょう。例えば、8mmフィルムは1秒に18コマ、普通のビデオで1秒に30コマということですから、1/30秒眠って1/15秒起きるというサイクルよりも短くすれば、他の人にはその「瞬き」さえも認識できないほどの「超ずうっと起きてるスーパー人間」が誕生するのではないでしょうか。いや、そう思うのは早合点、我々人間は我々人間の認識以上のことをしてはいけないのです。きっとサイクルをそこまで短くすると、「常に1/3眠っている」人に見えてしまうに違いないからです。
不思議な三角形
三角形の錯視の世界です。もう皆さんよくご存じの有名な三角形だと思いますし、先生も見たことはあったのですが、どうしてこうなるのかをすっかり忘れてしまいました。どうも最近、1年も経つと物事をすっかり忘れるようになってきています。
詳しい解説はここにありました。なんかがっかり。
ハンサムのメールはいやなメール
ハンサムからメールがきた。
◯大の学長から緩和医療の准教授にとの要請がきたましたが、理事長につぶされました。危うく先生より出世するとことでした。
なんだこれ。相変わらず自分の自慢しかできないやつだ。俺が教授を名乗っているのが医学部教授というものへのアンチテーゼだということを全く理解していないな。
教授なんてのは世の中にごっそりいるし、その多くは肩書きを取ればただの人だ。そこへいくと俺は、大学をやめようが、就職しようが、フリーランスになろうが、ホームレスになろうが、俺はいつでもスミルノフになれる。俺は一生おまえより偉い。
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