今年最後…のつもり
うーんとね、先生がここを乗っ取る前も入れると、このサイトはかれこれ3年近くになります。その間、たくさんの方々から、極めて学術的な質問やまじめな進路相談、医療相談、それに医療事故に関するご意見伺いなんかをいただきました。
ところが先生は、確かに世界を代表する教授ですけど、こんな大事な問題にお答えできるほど、まだまだ人間ができていません。でも、先生がおちゃらければおちゃらけるほど、このような相談は後を絶ちません。やはり、いくらふざけても、人間の本当の内面、つまり先生が素晴らしい人格者であるということは、覆い隠せないことなのですね。
先日、このサイトがきっかけで麻酔科医になることを決心した医学生の方からお手紙をもらいました。「先生のようなユーモアの分かる麻酔科医になりたい」って。騙してしまって申し訳ありません。サイト開設前からの教え子で、本当の先生の姿を知っている学生は、神経内科に行くそうです。んなろー、お前のことだ、今見てるだろー、先生はお見通しですよ。
先生は、将来を夢見る中学生たちを手術室に入れたことがあります。この時も、後でたくさんのお便りをいただきました。「将来、先生のようなおもしろい医師になりたい」って。
あーもー、皆さんいいかげんにしてください。おもしろいだけでは、この業界やってけません。たしかに先生は、患者様が急変してもひょうひょうとしているとよく言われますが、内心は大汗かいてます。麻酔の前は今でも必ずウンコがしたくなるし、講演の前の晩はホテルで一睡もできません。だから、仕方なくビデオを見たりします。でも、チェックアウトの会計の時に気恥ずかしい思いをして後悔します。
ああ、また話をそらしてしまいました。そんなこんなで、まだまだ仕事中の先生は、明日無事に飛行機に乗れるでしょうか。とにもかくにも、皆さんよいお年を。来年1月6日ぐらいにお会いしましょう。
偏見
先生は亡命したとき、アメリカ人にはずいぶん親切にされましたが、その奥底には優越感を感じてしまいました。先生は卑屈すぎるでしょうか。
「君たちオリエンタルは…」
残念ながら、アメリカ人はアジア人の区別がつきません。ま、そんなもんですから、イラクとアルカイダとラディンの区別がつかなくて当然です。いや、ブッシュは単に石油狙ってるという話もありますが…。ところで、「そんな端正なロシア系のマスクなのに、なんでオリエンタルに間違えられるの?」ってつっこみは無しにしてください。それほど、アメリカ人は外国人の識別が苦手なのでしょう。
そういう私たちも、よく考えたら、外国人のことについてよく知りません。アメリカの白人はいつもヘイ・ジョニーって言ってると思ってるし、黒人はみんなラップを歌いながらバスケをしているし、モンゴル人はみんなモンゴル相撲をしていると思っています。
それから皆さん、北海道人ならみんなスキーが好きという偏見はもっともいけない偏見です。あんなものを義務教育どころか大学の教養の授業でまで強制的にやらされて、14年間も苦しんで悩んだ人だって、いるのかもしれないのです。
人間は、その人の情報が少ない場合、間違ったイメージを抱いてしまうものです。残念ですが、そもそも最初は偏見しかできない生き物です。それをまず知ることが大事です。だから先生が、心臓外科医や脳神経外科医と聞くと、きっとイヤな奴だろうと思ってしまうのも、無理の無い話ですよね。
俺のペイシェントがさ…
地味な人気コンテンツ、「手術室で使う北海道弁」を地味に更新しました。ご存知のように先生は、北海道から北陸地方に転校しました。別に北海道弁が通じないとか、北陸弁が理解できなくて困るということはありません。しかし、「病院の方言」の違いでとまどうことがしばしばです。
例えば、患者様の気管内から痰を吸引するとき、前の病院では「サクション!」と言えば普通にオッケーだったのですが、ここでは通じません。ここでは「吸痰」といいます。なんか田舎くさいです。でもひょっとしたら先生は、無理に英語を使うキザでヤナ奴と思われちゃったかもしれません。いや全然無理してないって。もう15年以上も普通に言ってきたんだから、気をつけてても出ちゃうんです。
いや、もう、いっそのこと、開き直って、無理してでも全部英語使うってのはどうでしょう。
「よーし、それじゃあ、まずペイシェントのレフトハンドのペリフェラルベーナスに20ゲージのカテーテルをインサートだ。グッドジョブ。じゃあ、アネステジアをインダクションするぞ。ヘイ!しっかりマスクをホールドして、もっとベンチレーションしろ。ボーカルコードが見えたらインチュベーションしてぇ。ウープス!ブラッドプレッシャーがエレベーションだぜ!セボをインクリーズするぞ…。」
先生は、ほんとにこんな奴に会ったことがあります。留学帰り直後で、すっかりその気になってました。
「俺は、ゥワシントンディースィーに行っててね。」
日本語の会話でワシントンにDCつける奴ってあましいないぞ、っと先生はヤナ予感がしました。そしてついにその予感は当たったのでした。
「いやあ、こないだ俺のペイシェントがさ…」
でも、出てくる英単語が誰でも知ってる英単語ばかりだったのが、先生はちょっと寒かったです。
翡翠科診療プラクティス
翡翠科ってマイナーな科と思われがちですけど、出版されている教科書や関連書籍の数って、他科に比べて圧倒的に多いんだそうです。それにしても、よく書く人がいるもんです。先生、翡翠科医ってやっぱヒマだから?って思われないか、とっても心配です。しかし、書籍が多いのにはわけがあります。翡翠科は、他科から初期研修のために回ってくるローテーターが非常に多いので、ニーズもそれだけ多いからなんだそうです。本当かなー。先生はやっぱり心配です。
最近、中でも「翡翠科診療プラクティス」シリーズってのが良く売れてるんだそうです。ちなみに、もう9巻も出てます。
- 第1巻:まれな疾患の翡翠
- 第2巻:翡翠科専門医に必要な画像診断
- 第3巻:緊急手術の翡翠
- 第4巻:癌性疼痛管理
- 第5巻:翡翠科医に必要な局所解剖
- 第6巻:ニューロパシックペインの今
- 第7巻:周術期の危機管理
- 第8巻:よくある術前合併症の評価と翡翠計画
すごいですねー。ちなみに、9巻、10巻も現在製作中です。よくネタがつきませんねー。しかも、すごいペースで刊行されてます。翡翠科医って、こんなに勉強しなくちゃいけないんでしょうか。それでも、なんとかテーマを見つけて、これからも刊行し続けるのでしょうか。きっと、第50巻ぐらいになったら、
- 第50巻:困った心臓外科医との付き合い方
とか、
- 第60巻:臨時手術の夜に役立つ出前の旨い店ベスト100
なんていう方向に行ってしまわないか、先生はとても心配しています。
激痛病院
メリークリスマス。新年に備えて、ちょこちょこスクリプトを書き換えています。表示のおかしい方は、ご面倒でも、何度か再読み込みをしていただけると、先生はとても有難いです。
さて、先生は最近、手術の苦痛から皆さんを守るために、麻酔科医という仕事もしています。麻酔科医は、点滴ひとつ行うにしても、細心の優しさであなたに接します。たかだが20Gほどの静脈針を刺す時にも、わざわざその前に27Gの針で局所麻酔をしたりします。下手したら、前の日からペンレスという麻酔テープを点滴予定部位に貼っておいたりします。
ああ、なんてきめ細かい優しさなんでしょう。その後、悪魔のような外科医によって胸や腹を何十センチも切り裂かれることに比べたら、点滴の針なんてほんの些細なことなのに。
いや、でも先生は、こんなの本当の優しさではないと、最近思い始めました。本当に、純粋にあなたのためを思ってやってることでしょうか。いや、違うかもしれません。完璧な麻酔をやればやるほど、どうでしたー?って聞くと、あなたから返ってくる答えはこうです。
「手術はすっごい楽だったけど、先生の注射が痛かった」
んなろー、手術がすっごい楽だったのはオレのおかげだぞー、外科医が上手いからじゃないんだ、そのオレ様に向かって、なんだその口ききはー。
そう、こんな思いをしたくない、言われる筋合いのないことを言われたくない、そんな保身の思いが根底にあるんではないかと思うのです。
ああ、先生はもう疲れました。病院に来るんだから、注射ぐらい我慢してください。いや、一歩進んで、注射楽しみにしてきてください。世の中には、激辛カレーの店に長蛇の列を作るほど、常軌を逸した辛い食べ物を好む方がたくさんいらっしゃるではないですか。でも、激辛ブームなんて昔の話です。先生は是非、激痛ブームをしかけたい。
「ちょっとー、この注射なによー、全然痛くないじゃないのーっ(怒)!!」
あー、こんな人、先生は待ってます。
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