2017/08/30
スティックのり ♀
*
何のことはないんだ。一本目を使い終わらないうちに二本目を開けてしまったので、見分けがつくように、新しい方に「新」、古い方に「古」と書いたのだ。「古」が「♀」に見えた。ただそれだけの話しだ。
だが、僕は、考え直さなければならない、と思った。
何をかって? それはもちろん、「古ナントカ」(たとえば古屋とか古川とか古山とか)という男に殺されたときの、絶命する直前に犯人を示すためのダイイングメッセージをどう残すか、という問題についてだ。今までは単純に「古」と書くのが常識的だと思い込んでいたが、これでは警察が「♀」と誤読してしまい、てっきり犯人は女だと勘違いして、初動捜査を間違った方向へ導いてしまう恐れがあると判明したわけだ。
それに、よくよく考えてみれば、「古」なんて単純すぎて、「古ナントカ」自身にしてみれば、これは自分を犯人だと示したダイイングメッセージだとすぐに気づいてしまうわけで、犯行後「古ナントカ」によってそれはすぐ消されてしまう、ということは明白ではないか。
では、僕はなんと書けばよかったのだろう。「古」ではなくて、「旧」と書いておけば、カミさんも読み間違えることはなかったし、「古ナントカ」に殺されたときのダイイングメッセージ、などという、実につまらないことで悩む必要もなかったのではないか?
いや、「旧」と書いていたとしても、きっと「1日って何?」とか訊かれて、僕はまた別の、実にくだらないエントリーを書いていたのかもしれない。
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