2014/09/26

古今東西ロコモーション!―56種類のカヴァーを集めてみた―最終回:何でもありの2000年代、まだまだ世界に広がるロコモーション!の巻

1962年のリトル・エヴァによる大ヒット曲、ロコモーションのカヴァー・バージョンをネットで探し続けていたら、なんと56種類も集まってしまった。ロコモーションというたった1曲のカヴァーを追い続けただけで徒労に終わるかとも思ったが、最後には世界のポップ・ミュージック全体の歴史の流れが見えてきた……。今回は最終回、何でもありの2000年代、まだまだ世界に広がるロコモーション!の巻、と題して12種類を紹介します。

古今東西のロコモーション・カヴァーを集めるという企画も、いよいよ最後です! 2000年以降のカヴァーを見ていきましょう。

大衆音楽も多様化し、情報化が進んだおかげで、各々が好き勝手な音楽を聴く時代、ジャンル分けが意味を持たないほど混沌としていきますので、年代順に羅列していくことにします。

注1)原則としてYouTubeで音源を聞くことのできるものに限定しました。興味のあるものはYouTubeへのリンクをクリックして試聴してみてください。

注2)リリース情報はDiscogsで調べました。興味のあるものはDiscogsへのリンクをクリックして確認してください。Discogsに情報の無い場合はAmazonへのリンクを貼りました。なお、コンピレーションアルバムの音源しか存在していないものもあるので、表記した年号は必ずしも初出を示すものではない可能性があります。

注3)サムネイルは原則としてレコードまたはCDジャケットの画像としますが、文字やイラストだけのジャケットの場合は、ミュージシャンの姿が分かる画像に差し替えたものもあります。

注4)たくさんあるので、先生の独断でオススメのものには、☆印をつけました。参考にしてください。

それではどうぞ!

No.45 アトミック・キトゥン Atomic Kitten - The Locomotion(2000年、イギリス)

アトミック・キトゥン
YouTube
Amazon

アトミック・キトゥンは1997年にイギリスで結成された女性アイドルグループで、仕掛け人はなんとOMDのアンディ・マクラスキーです。ロコモーションは、2000年の映画「きかんしゃトーマス 魔法の線路」のためにカヴァーされたもので、同映画のサントラ盤に収録。イントロでライディーンが始まりそうな雰囲気はあるものの、結局はカイリー・ミノーグを踏襲した路線に落ち着いています。

No.46 ドワイト・ヨーカム Dwight Yoakam - The Locomotion(2003年、アメリカ)

ドワイトヨアカム
YouTube
Discogs

ドワイト・ヨーカムは1956年生まれのアメリカのカントリー歌手、俳優。このカヴァーは2004年のコンピレーション・アルバム、Dwight's Used Recordsのために録音されたもののようです。おそらく現存するカヴァーの中で、最もカントリーらしいアレンジです。

☆ 完成度の高いカントリー・アレンジです。

No.47 メリンディ・シャルレ Melindi Charle - The Locomotion(2005年、南アフリカ)

メリンディシャルレ
YouTube(PV)
Discogs

南アフリカの歌手。カントリー系の楽曲が多く、おどらく、このロコモーションのアレンジも、ドワイト・ヨアカムのバージョンを踏襲したものだと思います。

No.48 ヤナ・ファビアノヴァ Jana Fabiánová - Diskohrátky(2005年、チェコ)

ヤナ・ファビアノヴァ
MP3
Discogs

チェコといえば1981年のハナ・ザゴロヴァのカヴァーを前回紹介しましたが、こちらは1979年プラハ生まれのチェコの歌手。最近はもっぱらジャズ歌手として活動しているようですが、2005年のアルバム、Život Je Videoに収録されたこのロコモーションは、まるでカイリー・ミノーグが再来したかのようなエレクトロポップ。それもそのはずで、アルバムのサブタイトルが"The 80's COMEBACK"、ジャケット・デザインからも80年代の匂いがぷんぷんします。MP3でさわりだけ試聴できます。

No.49 ギトギトハスラー Gitogito Hustler - Locomotion(2006年、日本、アメリカ)

ギトギトハスラ
YouTube(LIVE)
Discogs

京都出身の女性パンク・バンド。YouTubeの映像は2005年のアメリカにおけるライブの様子です。2006年のアルバム、Love & Rollに収録されていますが、このアルバムはアメリカのインディーズから発売されたもののようです。ウィキペディアでは英語版にしか載っていませんが(Gito Gito Hustler)、英語版にしか載っていない日本のバンドって、意外にたくさんあります。

No.50 ザ・ミルキィズ The Milkees - Locomotion(2006年、日本)

ミルキィズ
YouTube
Discogs
Sazanami

神戸出身のダブル姉妹による四人組女性バンド。かの有名なサザナミレーベルから出した名盤「ザ・ミルキィズ 〜ミルキィズがやってきた。にゃぁにゃぁにゃぁ〜 」に収録されています。

被災地と60年代サウンドへの愛情に満ち溢れた素晴らしいバンドですが、残念ながら2011年に活動休止してしまいました。伊東ゆかりの歌った音羽たかし(あらかはひろし)による日本語の訳詞で歌っているところもクールです。

☆☆☆ R&Rへの愛が伝わってきます。そして被災地への愛も! ぜひ活動再開して欲しいです。

No.51 ホット・スチュワード The Hot Stewards - The Locomotion(2007年、オランダ)

ホット・スチュワード
YouTube(LIVE)
Discogs

2005年に結成されたオランダのポップパンクバンド。つまんないっす。騒ぎすぎて後半息切れしてるし、情けない。他の曲をちゃんと聴くと(YouTube)そんなに悪くもないんですが、なんせミルキィズの世界を堪能したあとなんで、今は恐い顔した野郎どものやかましいサウンドなんか、これっぽっちも聞きたくない気分なんです。

No.52 ノエル・アクショーテ Noël Akchoté - The Loco-Motion(2007年、フランス)

ノエル・アクショーテ
YouTube
Discogs

フランスのジャズ・ギタリスト。実はもうロコモーションなんか聞きたくもなくなってきており、こんなエントリーを書き始めたことを後悔さえしているのですが、ギター一本による素晴らしいジャズアレンジが心地よく、ここで一息って感じでとても癒やされました。

No.53 ジャンボ Djumbo - Locomotion(2008年、オランダ)

ジャンボ
YouTube(TV)
Discogs

オランダの女性三人組ポップ・グループ。これ、日本語表記どうするか迷ってしまって、最初はオランダ語だしユンボだろう、と思ったのですが、どうもメンバーの発音を聞くとジャンボが正しいような気がしてきました。ただ、何度も聞くとジュンボのような気がしてきて、ジュンボだと思って聞くとやはりユンボにも聞こえてきます。まあ、そんなことはどうでもいいですね。
なんか字数稼ぎの段階に入ってますが、かんじんのサウンドの方は、アトミック・キトゥンのオランダ版といったところです。

No.54 ザ・ビーツ The Beets - Locomotion(2010年、アメリカ)

ザ・ビーツ
YouTube(LIVE)
Discogs

The Beetsはアメリカのストレートなガレージロック風サウンドを聞かせるバンド。アルバムを数枚出している模様です。ロコモーションは、なんとなくストーンズのサティスファクションを思い起こさせるアレンジ。フェイスブックページはThe Beets

No.55 リンダ・カーター Lynda Carter - Locomotion(2011年、アメリカ)

リンダ・カーター
YouTube
Discogs

リンダ・カーターは、1951年生まれのアメリカの女優。元ミス・ワールド・アメリカ代表で、テレビドラマのワンダーウーマン役として有名だそうです。サウンドはいかにもアメリカ歌謡らしく、カントリーの匂いもします。

☆ 落ち着いた大人のためのロコモーションといった感じです。

No.56 クレア・ティール Clare Teal - The Loco-Motion(2012年、イギリス)

クレア・ティール
YouTube
AmazonMP3

お待たせしました。 いよいよ最後です! 集めも集めたり、オリジナルと56種類のカヴァー、合計57種類のロコモーション、ここまでいかがだったでしょうか。先生はけっこう達成感、感じてます。途中でやめたくなりましたが、結果としてやって良かったんじゃないかな。記念すべき最後を飾るのは、イギリスの女性ジャズ・シンガー、クレア・ティールです。2004年の6枚目のアルバム、Don’t TalkがUKジャズチャートで1位、全体でも20位のヒットを記録したということで、イギリスのジャズ界ではメジャーなシンガーのようです。録音はもっと前のものかもしれませんが、2012年のコンピレーションMP3アルバムに収録されています。アレンジがめちゃくちゃよいです!

☆☆ 最後を飾るに相応しい素晴らしいアレンジです。大人のロコモーション極むるものここにあり!

――最終回の第4回は、2000年以降のロコモーションをまとめました。ポストパンク世代のロックバンド、60年代に回帰する動きをみせるロックバンド、エレクトロポップを出発点とするポップ・グループ、さらにはカントリー系の歌手、ジャズ歌手など、実にバリエーションに富んでいるところが時代を反映していると思います。ロコモーションはますますジャンルを広げて歌い継がれていくことでしょう。

最後に――ふとした思いつきから、ロコモーションのありとあらゆるカヴァーを収集してみました。オリジナルも含めると合計57種類。もちろん、これで全部というわけではありません。

日本だけに限っても、Mi-Keとか、ご指摘のあったゴールデン・ハーフとか、山本リンダ、安西マリア、石江理世、これらはディスク情報やミュージックサンプルが確認できたものもありましたが、ネット上に音源を見つけることができませんでした。後にカヴァー扱いになったオレンジレンジは外しました。テレビ番組も含めるとSMAPとか、杏子&TOKIO&マーティ・フリードマンのコラボなど、きりが無くなります。あと青山ミチって言われたけど、それはたぶんヴァケイションと間違ってると思います。

そういうわけで、だいぶ抜けているとは思われるものの、ロコモーションというたった一曲のカヴァーを追いかけるだけで、なんだか世界のポップミュージック全体の歴史の流れを見たような気には、なってもらえたのではないでしょうか?

ふぅ、しばらくロコモーションは聞かなくていいや……。え? 続編を期待するって? そうですね、Will You Love Me Tomorrowなんかどうでしょうか。Wikipedia上だけですでに80種類ぐらいのカヴァーがあがってますが。絶対やる気しねえ……(完)

古今東西ロコモーション!―56種類のカヴァーを集めてみた―

■その1:世界がヒット曲を共有していた古き良き60年代の巻
■その2:グランド・ファンクで花開く70年代ロックから90年代へ〜でもグランド・ファンクが最初じゃなかった!の巻
■その3:70年代ディスコサウンド〜80年代エレクトロポップの巻
■最終回:何でもありの2000年代、まだまだ世界に広がるロコモーション!の巻
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2017/03/14

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