2011/11/17

謎の陸上動物 ゴマキヒトデ

もうお忘れかと思うが、当ブログのエントリー「コトラ2:なぜ犬だと思うのか」で、最後に出てきた真っ黒なおばけみたいのは何ですかというpuripuri博士からの質問があった。再掲するが、これである。

毛だけからなる何がしかの生物

さすがpuripuri博士、いい質問です。今回は先生が研究に研究を重ねて明らかにした、この動物の恐るべき正体をお見せしよう。

結論を先にいうと、これはゴマキヒトデという陸上動物です。写真では姿かたちが今ひとつ分かりにくいので、先生のイラストで説明しよう。

ゴマキヒトデは、棘皮動物門毛ヒトデ網毛ヒトデ目オカヒトデ科ゴマキヒトデ属に分類される体長140-190cmの陸上動物である。以前よりネパール、ブータンなどで目撃情報があり、人を食べる恐ろしい動物として古くから伝承されてきた謎の動物であったが、1981年に初めて捕獲され、その形態が明らかになった。しかし、生態についてはまだほとんど謎につつまれているのが現状である。

ゴマキヒトデ1

体表を覆う黒い毛のようなものは、当初は腕が幾本にも分裂してできたものといわれていたが、現在では棘化した表皮が毛状に変化したものではないかと考えられている(すなわちウニのトゲに相当する)。普段はその体毛に隠れてなかなか見えにくいが、腕(足)は五本あり、五放射相称構造となっている。それゆえに、どのような方向にも自由に移動することができる。

それでは、1981年に初めて観察された体の下側を見てみよう。

ゴマキヒトデ2

下から見ると五放射相称の腕(足)がよく見える。そして腹側中央に口がある。肉食で、死んだ動物などを食べるが、ときに生きている動物を自ら捕獲して食べることがあるという。

もう少し拡大してみよう。

ゴマキヒトデ3

腹側中央の口には鋭くて硬い歯が多数並んでいるのが分かる。この硬い歯で、たとえ獲物が大きな動物であっても、その骨まで噛み砕くことができるのだ。

さて、動物が獲物を丸呑みする場合、通常は食道を円滑に通過させるために獲物の頭側から飲み込むことが多い(特に魚類は頭側から飲み込まないと鱗が引っかかってしまう)。また、肉食の哺乳動物は頚部を絞めるなどの方法で獲物を絶命させてから食する場合が多い。

しかし(ここからがこの動物の恐ろしいところなのだが)、オカヒトデ科の動物はまず最初に獲物の足を捕らえることが多く、生かしたままで足から食することが多いのだ。ゴマキヒトデが人間を食う場合も同様で、意識のあるまま足から順番に食べていく。このため、食べられる人間は絶命の瞬間まで激しい痛みを感じることとなる。

実際に、ゴマキヒトデに人間を与えたところを見てみよう。

ゴマキヒトデ4

あ、グロ注意って書くの忘れた。もう遅いか。

そろそろ本当のことを言おう。最初の写真は、円山動物園のゴマキである。しかし、円山動物園に行くと、夜行性のゴマキはいつもああいうかっこうをしており、顔も四肢も見えない。だから先生は密かに、あれは顔のないヒトデみたいな動物ではないのかという妄想をいだいていたのだ。

何ヶ月か前にナイト・ズーが開催され、夜に円山動物園を訪れることができた。先生は、そのときに初めて動くゴマキを見た。衝撃をうけた。もちろん、ゴマキの顔や足を見たのも、そのときが初めてだったのだ。

ゴマキ

ああ、ゴマキは生きているのだ、と思った。当たり前だけれど。

ゴマキ2

特に説明の必要もないと思うが、念のために確認しておく。ゴマキはナマケグマである。なまけているクマではなくて、ナマケグマという名前の種類である。たぶん夜行性で昼間は寝ているので、こういう名前になってしまったのだろう。人間と生活サイクルが違うというだけで。ゴマキから見たら、夜寝ている人間こそ、ナマケビトあるいはナマケジンといえよう。


関連記事

2020/07/26

スポンサーサイト

|-|by スポンサードリンク

コメント
教授!!王道への回帰ですね。
  • 眠狂四朗
  • 2011/11/20 5:23 AM
そう、王道ですよね。 分かってくれる人がいてよかった。 と、涙が浮かぶほどです。
  • スミルノフ
  • 2011/11/20 7:25 PM
トランスフォーマーみたいなもんでしょうか。
  • かくた
  • 2011/11/21 9:18 AM
どうでもよい飲み会、どうでもよい勉強会などで消耗しています。
  • puripuri
  • 2011/11/23 6:15 PM
ナマケモノは知ってたけどナマケグマは知りませんでした。この調子だと私が知らないだけで、ナマケドリとかナマケギツネとかいそうですね。 調べてみる価値……ないな。
  • るい
  • 2011/11/25 5:06 AM
コメントは終了しました。

教授御尊顔
教授御尊顔
だまれ!
follow us in feedly
Links
サイト内検索
Googleサイト内検索
懐コンテンツ
喉頭鏡素振りのススメ
スミルノフスイッチ
カテゴリ一覧
過去ログ
Recommend
史上最強カラー図解 はじめての生理学
史上最強カラー図解 はじめての生理学 (JUGEMレビュー »)

ダルビッシュも読んでいる、先生の恩師の著書です。買ってやってくれや。
いちばんやさしい生理学の本
いちばんやさしい生理学の本 (JUGEMレビュー »)
當瀬 規嗣
先生の恩師です。買ってやってくれや。
Others
mobile
  • qrcode
powered
  • 無料ブログ作成サービス JUGEM
PR