2011/10/07

Toll-like Haruki

僕はなんとなく、ノーベル賞、今年は誰か日本人が受賞するだろうという淡い期待をいだいていた(その根拠はお分かりですよね)。淡い期待というか、どことなくそれが前提のようにさえ思い込んでいた。きっと山中先生がもらうんだろうな、とか。
ところが医学生理学賞は山中先生じゃなかった。
え、どうして?
僕はちょっと混乱した。
そうすると、ひょっとしてハルキか?
そういう予感が頭をよぎったのだった。

ハルキがノーベル賞って、ハルキファンはどうなんだろう。僕は自分がハルキファンかどうかも分からないので分からない。ただ実際に受賞ということになっちゃうと、記者会見とか授賞式とか、日本のマスコミの前で思いっきり正体を晒すことになるわけで、ハルキがそんなことになっちゃっていいのか? という、自分でもよく分からない不安で胸がどきどきした。そしてさらにその後のことも想像した。ざっと数作に目を通しただけで訳知り顔になってるキャスターの御説を聞くはめになるんだろうな、とか。表向きはお祭り騒ぎだけれど、ネットでは賛否両論の喧騒が渦巻くことになるんだろうな、とか。やれやれ。

無駄な想像と心配。結局ノーベル文学賞はトランストロンメルだった。もともとトランストロンメルかアドニスだといわれていたから、さして驚きはなかった。どちらにせよ、ふたりとも80歳越えだ。ノーベル賞も世界を相手にしなければならないからなあ。そうすると対象者も自ずと増えてくる。その結果文学賞も、年功序列でいくとなると受賞すべき人がつまっちゃっているんだなあ、とか思った。正直にいうと、とてもほっとしている。これで静かな環境で、ハルキの未読作を読み続けることができるという安心感だ。といっても、未読なのはエッセイとか翻訳ものしか残っていないのだけど。あれ、ひょっとして僕はハルキファンなのだろうか。

静寂にひとまず安心した僕だけれども、今度は逆に、まるでジョブスが受賞したみたいな日本での盛り下がりぶりにはちょっと寂しくなったりもする。山中先生を後回しにした医学生理学賞も、受賞者の直前の死去ばかりが報道され、研究内容の方はさっぱり注目されなかった。自然免疫…ですか…。……。なにそれ?と問われることすらない。寂しー。繰り上がりで日本人が受賞していれば、また状況は違ったのだろうけれど。

Toll様受容体ってなんだっけ。手元にあった敗血症に関する本の巻末の用語集をみた。

Toll様受容体(Toll-like receptor: TLR) ――Toll(ショウジョウバエの初期発生において形態形成に関わる受容体)に似た構造を持つ膜貫通型受容体。LPS(lipopolysaccharide)やPGN(peptidoglycan)の認識に関わると考えられている。

ふーん、なんか今ひとつ正確さに欠ける記述のような気がする。ほんとに理解して書いているんじゃなくて、借りてきた言葉をただつなげているみたいな未熟さ。だって、そりゃそうじゃん。著者は僕だもの。10年近く前の本だ。僕のことだから、きっとウィキペディアとかから適当にかき集めて書いたに違いない。ウィキペディアあったかな、当時。

なんだか遠い昔のような気がする。Toll様受容体が今やっと受賞するんだったら、iPS細胞なんかまだまだ先のことなんじゃねーか、っていう気がした。でもそれでいいんじゃねーか。だって、若いうちにへたにノーベル賞なんかもらっちまったら、なんか大変そうだもの。それこそ死ぬ間際に、墓への土産としてもらうのが理想なんじゃねーべか。ハルキもマイペースであと3つぐらい長編書いてさ、そんで死ぬ間際にもらうのが一番いいよ。そうだそうだ、それがいいよ。

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2018/07/17

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コメント
トールさまって誰ですか(笑)。 エッダ由来かな。 てな知識をどこで仕入れたかと自問すると、たぶん秋田書店サンデーコミックス版「サイボーグ009」11巻。 人生に必要な知恵はすべてマンガで読んだ、てとこですか。 やれやれ。 (チャーリー・ブラウン風)
  • かくた
  • 2011/10/09 11:42 PM
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