2008/03/28

「夜と霧」にみる辛さの客観化

以前、こんなことを書いた。

どうしようもなくつらいとき、自分は本当につらいのだろうか、つらい自分を演じているのではないだろうかと、一度自分を疑ってみるとよい。

少し楽になっただろ。

「夜と霧」は、学生時代に霜山訳で読んだが、新版の池田訳でおよそ20年ぶりに読み返した。

フランクルは収容所生活の間に、将来「強制収容所の心理学」と題する講演をすることを思い浮かべることで、自分の現在の苦しみをまるで研究対象のように客観的にとらえることに成功したと語っている。そしてスピノザの「エチカ」から、次の一節を引用した。

苦悩という情動は、それについて明晰判明に表象したとたん、苦悩であることをやめる

私の先の文章は、おそらく旧訳で読んだこの部分の潜在的な記憶が表出したのだろうと、新訳を読んでいて私はそう思ったのであった。 しかし、未来をも絶望視しなければならない状況では、この方法をもってしても救い難い。ここから先がフランクルの真骨頂なのだ。読みやすい新訳をぜひおすすめする。

生きることの意味とは、なぜ生きるのかという問いに対する答えではないのだ。生きるということは、絶望や死も含めて生きるということであり、生きるということ自体が意味なのである。

夜と霧 新版
夜と霧 新版 みすず書房

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2020/07/26

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