「かぐや」がアポロ月面着陸の噴射跡撮影
画像を詳しく調べたところ、直径150メートルほどの白っぽい部分が見つかった。位置や地形の特徴から、月面に堆積(たいせき)していた砂が、アポロ15号着陸時のエンジン噴射で吹き飛ばされてできたと判断した。
いやあ、先生はこのニュースにびっくりしました。なんといってもアポロ計画はアメリカが国の威信をかけた壮大な作り話だという説がけっこう根強かったですから。
この検証サイトが分かりやすいんですが、空気のない月でなぜ星条旗がなびくのか、宇宙飛行士の影がなぜ2方向に分かれるのかなど、ニセモノ映像を疑わせる有名な根拠が示されています。
特に先生は、昔、海外の検証サイトで以下にお示しする写真を見たときの衝撃が忘れられません。
着陸船、宇宙飛行士、月の石などの影がバラバラな方向です。これは自然な環境では考えられないことであり、多くの照明を使って、しかもスタジオで撮影したことが強く疑われるのです。念のために付け加えておきますが、この写真についての不審な点は、もちろん「影のみ」です。
この写真は拾い物なんですが、その出所である件の検証サイトが見つかりません。消失してるのでしょうか。ご存知の方がいらっしゃったらお教え下さい。
奇跡のマンモス「リューバ」展・閉幕迫る!
ちょっとした計算間違いで、先生は飛行機の出発までずいぶんと長い時間を余すことになってしまいました。仕方が無いので、丸ビルまでリューバでも見に行くことにしました。ところが閉幕を1週間後に控えた日曜の午後、案の定会場の前は長蛇の列です。やれやれ、まあこれも覚悟の上だ。さて最後尾に並ぶとしよう。しかし、並ぼうとした先生に警備員が近づいてきて、外に出ろと言ってます。何と失礼なことでしょう。
……行列はビルの外まで続いていたのでした。東京の寒空の下でひとり思索に耽りながら並ぶ先生。けれども思いのほか回転は早く、20分後には会場の入り口にこぎつけることができました。パネル展示やリューバのCG画像などを横目で見ながら行列は進み、さらにその約20分後には「本物の」リューバが見えてきました。しかし、立ち止まることは許されないのです。パーテーションによって行列は「本物」の前で蛇行するので、その間は遠くから「本物」を見ることができますが、直接目の前で見ることができるのはほんの何秒かの間です。
40分かけてやっと出会ったリューバをひとめ見て、先生は気がつけばもう会場を出ていました。放心状態の先生は冷静さを取り戻そうと、改めて会場を上から眺めながら、また思索に耽りました。一番奥の黒い屋根で覆われたあたりに「本物」が展示されています。
私たちは情報手段がこれほど発達しているにも関わらず、本物にこだわります。CDの完璧な演奏を何度も聴けるのに、ともすればそれよりも劣る一回限りの演奏を聞きにライブに出かけます。画集で何度も眺めているのに、本物が来れば美術館に出かけます。そして、やっぱり「本物」は違うよね、と感動したりします。ところが、こうして「本物」をわりとじっくり味わえる場合には気づきにくいのですが、今回の先生の体験のように「本物をひとめ見る」ことによって、「本物」に出会うということが何を意味するのかが明らかになってきます。
先生はリューバをひとめ見ただけです。リューバのどこがどうだったとかいうような情報は、新聞などの写真を見る方が明らかです。私たちはマンモスに「巨大で大きな牙がある」というイメージを抱いています。でもリューバは子どもです。これがマンモスの子どもなんだと知らなければ、普通の子象にしか見えません。では先生はいったい800円で何を買ったというのでしょう。本物に出会うという感動を買ったのでしょうか。そうかもしれませんが、感動はやがて薄れていくものです。ということは、先生は800円で「本物を見たという体験」を買ったに過ぎないということになります。このことは、こういう状況で初めて気づくものです。
そしてよく考えれば、「本物の」リューバは私たちに何も呼びかけていないのです。
「本当は私たちの子孫が出会うはずだったが、地球温暖化のおかげで今私たちと出会ってしまった」
それは人々が作り上げていったストーリーであるし、そもそも物語は「リューバ」と名付けられたときから始まっていたのです。
と、先生は一瞬の出会いの虚しさを紛らわせるかのように、このようなくだらないことをグダグダと考えながら、見事時間をつぶすことに成功したのでした。そして今、無事に帰宅してテレビを見ていますが、数年前から私たちに感動を与え続けているマット・ハーディングの「本物」がNHKに出てきたのを見て感動しているところです。
抗うつ薬が寿命を延ばす
2004年ノーベル生理学・医学賞受賞者のリンダ・バック(Linda Buck)博士率いる研究チームは、寿命の研究でよく使用される短命の線虫に、8万8000種類の化学物質を投与し、どの物質が虫の寿命を延ばすか調査した。その結果、ミアンセリンと同じ成分を持つ物質で虫の寿命が30%延びたという。ミアンセリンは健康な精神状態を保つとされる神経伝達物質セロトニンの減少を食い止める働きがあり、抗うつ剤に使用される。抗うつ剤が脂肪を生成する神経伝達物質オクトパミンの吸収を防ぐことも確認され、低カロリーの食習慣で育てた実験動物は長生きするというこれまでの研究結果を裏付けるものとなった。
人類の憧れである不老不死薬探究の第一人者、リンダ・バック先生の研究成果です。わーい、これで抗うつ剤から離脱できないと悩む必要なんかなくなったね。一生飲み続けていいんだよ。先生は臨床的にも寿命延長薬として期待されている降圧薬ARBも飲んでるから、もう100歳以上生きることは決定だな。つーのは、原文↓を見ると早合点もいいところです。
Petrascheck M, Ye1 X, Buck LB: An antidepressant that extends lifespan in adult Caenorhabditis elegans. Nature 450, 553-556 (22 November 2007)
ちらみしただけなんで、誤読してるかもしれないけど、どーも話はそう単純ではなさそうだな。ミアンセリンの抗うつ作用は、他の抗うつ薬と同様、シナプス間隙のモノアミンを増やすことで発揮されてるのだろうけど、ミアンセリンはシナプス後セロトニン受容体を遮断する作用もあり、こっちの作用は臨床的にはうつ状態にどう絡んでいるのかよく分かってないが、どうやら線虫の寿命延長にはこのセロトニン受容体遮断作用が関係しているようだ。ミアンセリンによる線虫の寿命延長にはある種のセロトニン受容体と飢餓信号のトランスミッターとされるオクトパミンの受容体の存在が必要ということから、飢餓による寿命延長の機序との関連が示唆されているわけだ。
すぐに人間様にあてはめてはいけません。正しく題名をつけるならば、「抗うつ剤」というよりは「臨床では抗うつ薬として使用されている薬の一部」とつけるべきです。でも原題が単にan antidepressantだからなあ。
中学生向け科学セミナー マウス解剖中止に思う
科学離れを懸念しての中学生向けのセミナーで、ツボカビ病の影響で昨年までのカエルの解剖をマウスに替えたところ、動物保護系の市民団体からの抗議で中止になったそうな。
ま、皆さんいろいろな意見をお持ちでしょうけど、俺は、昔、某大学の生理学教室で働いているとき、中学生を招待してラットのランゲンドルフ灌流摘出心臓を見せたことを思い出した。ランゲンドルフというのは生物科学系の方ならご存じでしょうが、心臓は摘出しても灌流さえしていれば拍動し続けるものなのです。そしてカテコラミンやアトロピンを投与すると心拍数が変化するという基本的な実験を見せて、心臓という臓器はそれ自身が持つ自動能によって運動しているのであり、脳に支配されているのではないということを理解して欲しかった。もちろん、わざわざグロな場面を見せる必要はないと思ったので、摘出は中学生たちが来る前に済ませておいた。
ところが、そのとき数人の中学生から「心臓を取り出されたラットは今どこにいるのですか」とか、「この心臓は後でラットに戻すんですよね」というような質問が出て面食らった。この子たちは、市内で一番の進学校の生徒たちで、医師を目指している子も多かった(そうでなけりゃわざわざ俺んとこなんか来ないわな)。今頃はもう大学を卒業しているかな。みんなどのような道に進んだのだろう。
「Cell」の表紙が荒木飛呂彦
■スラッシュドット ジャパン | 米生物学誌の表紙に荒木飛呂彦のイラストが採用
■asahi.com:人気漫画「ジョジョ」の荒木さん 米生物学誌の表紙描く
すでに各所で話題になっているからいいかとも思ったのですが、やはり先生は看過するわけにはいかないだろうなと判断して取り上げておきます。各所で話題になっているのは、荒木氏だから、という側面が多々あろうかと思いますが、先生にとっては、「Cell」がこのような表紙を採用すること自体が驚きでした。
セルの表紙には通常、細胞の顕微鏡写真などが載るが、編集部も日本の漫画に興味を示したことから採用になった。
先生も、細胞内の蛍光カルシウム画像を扱った研究をしているとき、本気で有名雑誌の表紙を狙って、その画像のより美しい描写や加工(偽造じゃないですよ)に精を出したことがあります。Cellといえば、今はどうなっているのか、夢破れた先生にはすっかり分からなくなりましたが、少なくとも先生が現役のころは、NatureやScienceを超えるインパクト・ファクターを誇った超一流科学雑誌でした。そのような雑誌を狙っていたころに思いをはせながら、これはなかなかすごいことだぞ、と思わずにはいられなかったのです。
鳥のように呼吸する恐竜
■Dinosaurs breathed like birds
Majungatholus atopusという恐竜の骨を調べたら、気嚢を持つ鳥類と同様に空気の通り道となる空洞があった、という話です。酸素分圧の低い空を飛ばなければならない鳥は効率的な呼吸器官を持っていますが、同様の仕組みが恐竜にもあったというわけで、恐竜が鳥に進化したという説にますます有利な発見です。
鳥の呼吸器官を持った恐竜の存在は以前から言われていましたが、これまで考えられてきたよりもずっと原始的な恐竜でその構造が見つかったという点が評価されているようです。ま、太古の昔はもともと酸素分圧が低かったし、酸素が激減するようなイベントもあったようですから、鳥のような優れた呼吸器のおかげで絶滅を逃れた恐竜の末裔が鳥だって説は、2年ぐらい前にどっかのブログで読んで先生はすでに知ってたんですがね。えーと、どこのブログだっけなあ。
■鳥の高度な肺は恐竜にもらった(Nature)|スミルノフ教授公式ウェッブサイト
ああ、先生のサイトでした。自分で書いてすっかり忘れてましたね。しっかし、すごいなー、先生って。
恐竜博2005
移転して5thからPlusになったSukima Windows Plusで知った恐竜博サイトの中のクイズ形式ゲーム。クイズに答えながら、恐竜から鳥への進化の過程を学べます。間違っても進んでいくので、RPG風の読み物といったところでしょうか。画像は語尾に必ず「アロ」をつけて喋るアロサウルスが一番バカらしかったので選びました。先生はあらためて、鳥っていうのは一億年以上も栄えた恐竜が進化した姿であることを実感しました。理想の進化形は鳥なんですね。たかだが600万年程度の私たちじゃあないんですね。
World Jump Day
みんな知ってたかい? 2006年7月20日はワールド・ジャンプ・デイなんだって。グリニッジ標準時で2006年7月20日11時39分13秒、日本時間でいったいいつなんだかめんどくさいので先生は考えないけど、その時地球中の片側のみんなが一斉にジャンプする。何のために? どうやらみんなが一斉にジャンプすることで地球の軌道を変えようっちゅうことらしい。地球の軌道を変えて、地球温暖化を防ごうという素晴らしい企画なんだ。世界平和とともに環境問題にも取り組む世界的な先生としては、紹介せざるを得ないってわけさ。このwebでは6億人を募集してるよ。でも、あと72週と4日と20時間ばかし先の話しなんで、先生はきっとすっかり忘れてるよ。emailのリマインダー機能もあるから、その時が来たら誰か教えてね。
追記:っつーか、その時間に日本の俺らがやっちゃうのは逆に太陽に近づく方向みたいだ。こっちはこっちで時間ずらしてやるかあ?
マッドサイエンティスト・カフェ
それは白衣着用で眼鏡をかけた理系研究者(ルビ・マッドサイエンティスト)の方々にお茶を運んでいただき、あまつさえ同席し、各々の専門分野について熱く語っていただくというコスプレ・カフェ。 白衣の似合うメガネくんやメガネっこと地球征服や人体実験について甘く語り合う、夢のひとときをどうぞ……(うっとり)。
いやいやいや、これって先生の転職先としてうってつけだと思わないかい? ピペットでミルクたらしたり、スターラーで砂糖撹拌すりゃあいいんだろ? 応募してみようかしら……。
どうやら日本SF大会とやらでの企画のようです。気になる人は楽屋裏ラボ@マッドサイエンティスト・カフェをチェック!
犬はAIBOを同類とみなすか
■ Can a dog tell the difference?
犬はAIBO(アイボ)を同類とみなすだろうか? この実験はSony CSL Parisの、おそらくロボット工学関連の研究の一環なんでしょう。実際に食事中の犬にAIBOを近づけてみたんですね。驚くべき実験結果は、是非約1MB(mov)のAIBO/Dog Attack Movieでお確かめください。ちなみに、AIBOをお持ちの方は、自分のを使って追試しない方がよさそうです。そういう注意書きが付いています。
- 教授御尊顔
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