2018/12/03

イ為ンスタ3の1 東京編

インスタグラムヘッド 京成上野駅 インスタフット
suemesmirnoff 今回の学会は東京だ。しかし、東京にはあまり来たことがなく土地勘の無い私、降り立ったこの駅はいったいどこなのだろう?
#京成上野駅
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2018/10/18

アレ

夕方、床屋に行った。

「今日はどうしますか、いつものように少し残して……」
「いや、今日は後ろも横もがっつり刈り上げて」

最近仕事中、妙に髪がうるさく感じる。久々に短くしたい気分だった。

店主はバリカンの歯をいつもより強く私の頭皮に押しつけた。
私の髪は刈り上げられていく。

カットが大方終わり、洗髪のために椅子が倒されたころ、私は「アレ」のことを思い出そうとしていた。
この椅子が戻されると、私は「今日はなにつけていきますか?」と訊かれる。
つまりその最後につける整髪料のことだ。

床屋が終わったら家帰って晩飯食って寝るだけだ。
だから、いつもなら「なんもつけんでいいわ」とか、まあせいぜい「ムースにしとっかな」と答えることが多い。

しかし、今日はひさびさのショートヘアーだし、ちょっと固めて帰りたいな、と思ったのである。
だから。ムースじゃなく「アレ」なのである。
ジェルでもない、
バームでもない、
グリースでもない、
もちろんリキッドでもない、
今どきの若者にしたら、たぶん整髪料としてはもっとも普通であろう、
「アレ」である。

そのもっとも普通な整髪料の名前が全く思い出せないのだ。

ポマード、じゃない。
ポマードというとちょっと古くさい響きだが、最近はシャンプーで落としやすい水性ポマードが、オールドスタイルの流行と相まって人気だそうである。などと、店主が他の客とポマードについて楽しそうに議論している。

背もたれが倒された椅子に横たわる私は、顔を剃られながら「アレ」の名前を思い出すためにはどうしたらいいのか考えていた。いつもなら何も考えず、店内に流れるBGMを聞き流しながら気持ち良くウトウトとする時間なのに。

時間的な余裕はある。
そこで私は、なにかの名前が思い出せないときによく使う方法を行うことにした。

「ア……違うなあ、イ……違うなあ、ウ……違うなあ」
言葉を思い出すには何らかのきっかけが必要である。そのきっかけとなり得るのが、その言葉の「頭文字」だ。
「カ……違うなあ、キ……違うなあ、ク……違うなあ」
このように、とにかく五十音順に一字ずつ思い浮かべていくのだ。それがもし頭文字だったら思い出すきっかけになる可能性は充分にある。例えば私が仮にある種のサラダドレッシングの名前を思い出そうとしており、もしそれが「サウザンアイランド」であれば、まもなく私はそれを思い出すことだろう。
「サ……、あっ、サウザンアイランドだ!」
というように。

ところが、ハ行、マ行、ヤ行までいっても、私は一向に「アレ」を思い出せなかった。
ここまで出ないのは、いくらなんでもおかしい。
何か忘れていやしないか。
そうだ。
濁音を忘れていた。
きっと濁音の頭文字に違いない。

「ガ……ギ……グ……ゲ……ゴ……」
「ザ……ジ……ズ……ゼ……ゾ……」
「ダ……ヂ……ヅ……デ……ド……」
「バ……ビ……ブ……ベ……ボ……」

おかしい。
思い出せない。
何か忘れていやしないか。
そうだ。
半濁音を忘れていた。
きっと半濁音の頭文字に違いない。

「パ……ピ……プ……ペ……ポ……」

おかしい。
思い出せない。
他に忘れてる特殊な濁音無かったべか。
あるいは、ああ、そうか。
あれかもしれない。
小さい「ャ」や「ュ」や「ョ」を入れて一通りやり直してみるか。

「チャ……チ……チュ……チェ……チョ……」

「お疲れ様でしたー、椅子戻しますね」

そこで時間切れとなり、私は完全に起されてしまった。
そして店主がいよいよドライヤーを片手に最後の仕上げに入る。
来た。このときが来てしまったのだ。間に合わなかった。

「何つけて帰ります? それとも何もつけなくていいですか?」
「いや、いや、えーと、その、アレを……」
「あ、なんかつけて帰りますか?」
「うん、うん、そ、そうするかな」
「わかりました。大丈夫です!」

店主はそうとだけ言って、何かを両方の手のひらで伸ばし始め、それを私の髪にマッサージするようにして付着し始めた。
このような付け方、そして付けてもらった感触とその後の髪の立ち具合、ほのかな香り、まさに「アレ」に間違いない。しかし、店主は一言も、その「アレ」の名前を口に出さなかった。

結局、私は「アレ」の名前を全く思い出せないまま、「アレ」をつけてもらって帰ってきてしまった。なんか奇跡的な話ではないだろうか。

そして今私は、「アレ」の名前を思い出せないことにむしろ快感を感じている。
ああ、もうあまり「アレ」のことを考えないようにしよう。
そうしないと、なんか思い出してしまいそうで恐いのだ。

そうだ、今日のこの「アレ」を思い出せなかった話を、「アレ」を全く思い出せない状態のうちに書き上げよう、そうしたら臨場感のある良いものが書けるんじゃないだろうか。

私は久しぶりにブログを書こうと思った。
すでにこの思い出せない感覚は、恍惚感に達していた。
例えてみれば、放尿の直前、排便の直前、射精の直前、のような恍惚感である。

思い出せない状態のまま思い出せない話を書くのだ。この恍惚感が持続しているうちに。
そうして私はパソコンの電源を入れてキーボードを叩き始めた。
途中でちょっと髪を書き上げて、再びキーボードに手を戻したとき、すこし脂っこいような感覚があった。
それで先に風呂に入ってから書くことにしたのである。
脱衣所の鏡で短くなった自分の髪の毛を見ながら私はこう言った。

「さてと、まずこのワックス落として……」

私は賢者タイムの状態で、仕方なく以上のつまらない文章を書いた。

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2018/07/27

イ為ンスタ2の2 平泉編

インスタグラムヘッド 銀河鉄道 インスタフット
suemesmirnoff よし、今日も学会だ。いざ、盛岡へ戻るぞ!
#いわて銀河鉄道 #鉄道 #鉄道写真 #東北本線 #北上駅
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2018/06/28

イ為ンスタ2の1 仙台・盛岡・北上編

インスタグラムヘッド エアドゥスープ インスタフット
suemesmirnoff #新千歳空港から、学会開催都市に向けて旅立った。ANAに乗ったつもりだったのだが、スープのカップに変な顔が書いてある。どうやら僕の乗ったのは#エアドゥとの共同運航便だったようだ。このクマのキャラクターは、#ベアドゥというのだそうである。道民でありながら、全く知らなかった。
#airdo
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2017/12/28

墓銘録2017

昨年は思い入れのある音楽家が亡くなるたびに、急遽即席で絵を描きツイッターにアップ、ということをやっておりました。年末にそれらを墓銘録2016としてまとめましたが、一応今年もやることにしました。しかし、もう飽きちゃってイヤイヤ描くはめになり、ツイッターには最初の2枚しかアップしておりませんので、その他は全て初公開です。描いた時期もバラバラなので、出来栄えにもかなりムラがあります。

ルールは昨年度と同様、ミュージシャン本人の似顔絵ではなく、あくまでも「そのミュージシャンに仮装しているスミルノフ教授の似顔絵」であることを申し添えておきます。

2017.01.31 ジョン・ウェットン

ジョン・ウェットン

昨年はキース・エマーソン、グレッグ・レイクというプログレッシブ・ロックの大物が相次いで亡くなりましたが、今年もプログレ界の巨匠の訃報で幕が上がり、驚きを禁じえませんでした。

絵の方はUKのファーストアルバム、邦題「憂国の四士(1978年)」です。ジョン・ウェットンだけヒゲを生やして黒縁のメガネをかけさせてみました。いきなり地味ですいません。

以前、「女子カーリングのプログレッシブ・ロックな世界 」という記事で、イエスを中心としたメンバー変遷を図示しましたが、このようなプログレ界における激しいメンバー交代の中心にいたのは、彼であったとも言えるのではないでしょうか。キング・クリムゾン、UK、エイジアの他にも、ロキシー・ミュージックやユーライア・ヒープとの関わり、そしてリック・ウェイクマンとのスーパーバンド構想など幻に終わったものも数多く、まさにロック界のキーパーソンでした。特にエイジアの成功によるプログレッシブ・ロックの大衆化は、彼の大きな功績です(もちろん罪であるかもしれません)。

個人的には、UK来日公演の際の「飛行機の中で作ってきた曲だよ」(記憶違いだったら申し訳ないがナイト・アフター・ナイト?)という発言と、エイジアが売れなくなったときの「あれだけの作品で売れなきゃ今後何を作ればいいんだ」という失意の発言がとても印象に残っています。

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